ザザーッ 、ザザーッ …… ザフ…
目を閉じると 波の音がきこえてくる
ザ …… フゥ――――
焼けつく陽射し
くろぐろした緑の木々が揺れる
私は窓辺の席で、
金網の向こうの無人のグラウンドをぼんやり眺めたまま、
いつの間にかまた目を閉じると、
ザザーーッ、ザ…フゥ――
砂粒をまぶして、
こんがりローストされた木造校舎は、
すっかり白茶けて、
中は百葉箱のように
暗く、 あたたかく、 さわやかで、 濃い。
男の子が難しい顔して、パズルを解いている。
熱さが重力のように感じられる、7月……
2) 漂泊在 につづく 「アン・ズルニを呼ばない」表紙に戻る