「オープニング」だって???
そもそも、こびとに始まりはあるのか?
激務の合間に、ふと我に返り、来た道を振り返るこびと。
その視線の先にあるのは何だろう…
ザザーッ 、ザザーッ …… ザフ…
目を閉じると 波の音がきこえてくる
ザ …… フゥ――――
焼けつく陽射し
くろぐろした俺たちが揺れる
そいつは窓辺の席で、
金網の向こうの無人のグラウンドをぼんやり眺めたまま、
いつの間にかまた目を閉じると、
永劫回帰。
もう何周もしてるかもしれない。
まずは社会に出るには勉強だ。
英語ができなきゃ話にならない。
そして仕事にありついた。
どこにでもあるような、システムの管理。
ユーザーを上手に楽しませて、課金する。
鵜飼みたいなもんだ。
そのうちいい加減飽きてくる。
もうみんな投げ出したい。
空へポーンと…
…投げ出されたのは、自分だった。
まあいいさ。
これからは楽しむ側だ。
全て見届けてやる。動かない。
根を下ろして、養分吸って育ってやる。
こびとが憧れたものは何だったのか?
そしてそれは実現できたのか??
答は最後まで観ないとわかりません。
知ってる人も、ナイショナイショ…
4) 王子は踊る につづく 「アン・ズルニを呼ばない」表紙に戻る