女:ひとりぼっちの者たちよ
ひとりでたたかう者たちよ
私はあなたと 共にいる。
今はどんな局面か?
鴬張りの廊下を踏みしめ、思いを巡らす。
着いてみないとわからない。
激しい物音と、怒声がきこえる。
角をまがる。
机が降る。
椅子が飛ぶ。
ガラスが弾ける。
砂が舞い上がる。
「アンはどこだ?」
「彼女を呼んでくれ」
「やつがすべてを知っている」
「もうアンに頼るしかない」
木刀も鉄パイプも、
銃口も爆弾も、
バラもビラも札束も、
群集も罵声も、
存在も孤立も、
大人しくそこに座って聞きなさい。
「どうする?」
「そこをあけろ」
「早くなんとかしろ」
「何か手はあるのか」
俺の学校には制服なんてない。
「アンはどこだ」
「アンを出せ」
「さあ、決断を」
「決断を」
「決断を」…
時は来た。
いざ、進まん。
彼女を、アン・ズルニを、
「アン・ズルニを」
アン・ズルニを呼ばない。
アン・ズルニは、私だ。