アン・ズルニを呼ばない【boy's&girl's side】 > 20) エンディング(girl's side)

1) オープニング 2) 漂泊在 3) 意欲に燃える… 4) 魔王が来た 1
5) パズルを解いてみよう 6) 魔王が来た 2 7) こびとさんの真実 8) 魔王、アン・ズルニと逢う
9) 歩きまわる人 10) 学校の窮状と売却計画について 11) 再び病室で 12) アン・ズルニをさがせ/うし組ねこ組の抗争
13) 王子は踊らない 14) からくりに気づく魔王 15) 金を巻き上げる魔王 16) うしとねこが集結する…
17) アンがいない 18) エンディング(boy's side) 19) 最後の問題 20) エンディング(girl's side)
【kobito side】へ




※撮影:Nama

女:ひとりぼっちの者たちよ
ひとりでたたかう者たちよ
私はあなたと 共にいる。

今はどんな局面か?
鴬張りの廊下を踏みしめ、思いを巡らす。
着いてみないとわからない。

激しい物音と、怒声がきこえる。
角をまがる。
机が降る。
椅子が飛ぶ。
ガラスが弾ける。
砂が舞い上がる。


「アンはどこだ?」
「彼女を呼んでくれ」
「やつがすべてを知っている」
「もうアンに頼るしかない」

木刀も鉄パイプも、
銃口も爆弾も、
バラもビラも札束も、
群集も罵声も、
存在も孤立も、
大人しくそこに座って聞きなさい。

「どうする?」
「そこをあけろ」
「早くなんとかしろ」
「何か手はあるのか」

俺の学校には制服なんてない。

「アンはどこだ」
「アンを出せ」
「さあ、決断を」
「決断を」
「決断を」…

時は来た。
いざ、進まん。
彼女を、アン・ズルニを、

「アン・ズルニを」

アン・ズルニを呼ばない。

アン・ズルニは、私だ。


End. 


 「アン・ズルニを呼ばない」表紙に戻る





inserted by FC2 system