アン・ズルニを呼ばない【boy's&girl's side】 > 12) アン・ズルニをさがせ/うし組ねこ組の抗争

1) オープニング 2) 漂泊在 3) 意欲に燃える… 4) 魔王が来た 1
5) パズルを解いてみよう 6) 魔王が来た 2 7) こびとさんの真実 8) 魔王、アン・ズルニと逢う
9) 歩きまわる人 10) 学校の窮状と売却計画について 11) 再び病室で 12) アン・ズルニをさがせ/うし組ねこ組の抗争
13) 王子は踊らない 14) からくりに気づく魔王 15) 金を巻き上げる魔王 16) うしとねこが集結する…
17) アンがいない 18) エンディング(boy's side) 19) 最後の問題 20) エンディング(girl's side)

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生徒たちがアン・ズルニを探しに進めば、
パズルは解け、皆救われる。
ゲームに乗った魔王は、説得に走る。

※撮影:Nama

魔王:あの角を曲がると グランドに出る道
思い出は特にないが 砂の海が広がる
中庭の途中に 輪転機のある部屋

走れ! 何を迷っている!!
学校が売り飛ばされる前に、
生徒の半分が食い殺される前に、
すべてのブロックを駆け抜けるんだ……

「魔王だ……」
「魔王、お前は一体何しに来たんだ」
うし組の生徒とねこ組の生徒と魔王がばったり出くわす。

自滅につながる無益な戦いはやめるべきだ。
実にくだらない。

「何だと!」
「ずっと休んでた奴に何がわかる」
生徒の叫び。

アン・ズルニをさがすんだ。
彼女はみんなを待っている。

「そこをどけ。うし組の奴らを叩き潰す」
「おう、上等だ。
魔王の出る幕じゃない」

ほう…
…通りたいなら通ってみろ。

「う……」

手をつなげない以上、
敵とぶつかっても意味はない。
生徒同士が殺し合ってもいいのか?

「うるせえな!そういう運命なんだよ」
「俺たちのうちどちらかは、食われてしまうんだ」
背に腹はかえられない。

こんな形で、学校が乗っ取られてしまっていいのか?

「……学校はもう…乗っ取られちまってるんだよ」

とにかくぶつかるな。
まだあきらめるな。
手をつなげる者はつなげ。
だが味方だけで完結するな。
そこから食われる。
アン・ズルニをさがすんだ。
うし組はうし組で、ねこ組はねこ組で、
アン・ズルニをさがすんだ。
すべてを回り尽くした時、
私たちはつながり、みんな救われる。

両者共に下がる。
魔王にはかなわない。
魔王は先へ進む。
うしもねこも、それぞれの道へ。

ああは言われたものの、
信じる者などそうはいない。
「アン・ズルニなんてホントにいるのか?」
「いるもんか!お前は会ったことあるのか」
「ない。わからないけど、
潰されないよう気をつけながら戦い続けるしかないだろう」

授業の鐘が鳴る。
うし組とねこ組は、すぐ見える隣同士で隔てられている。
「はい、まずは玉ネギを育てるところから始めてみたいと思います。
どちらのクラスが上手に育てられるかで、
どの企業を選ぶか判断したいと思います」

「玉ネギだ玉ネギだ」

「育てるぞ育てるぞ」

「やい、うし野郎!
お前と一緒に煮込まれる玉ネギをおいしく育ててやるからな。
ありがたく思えよ」

「へ、言ってやがる。ネコどもめ。
お前らこそ刻んだ玉ネギと重なって涙でも流してろ。
丸ごとガブっと食ってやる」

やめろ! 騙されるな!!
みんな踊らされてるだけだ。

アン:あたしをさがして。
あたしはここにいる。

俺は俺で、進むしかない。

自分で気がつかないかぎり、わからないよ。

渡り廊下側からねこ組の生徒が、
生徒ホール側からうし組の生徒が、
迫ってくる。
近づいてくる。
こんな時、彼女なら、アンなら何と言うだろう?
アン・ズルニは今の事態をどう思ってるだろうか?

あなたは誰?

黒い画面に浮かんだまま

いったい何?

終了できないタスクリスト

どこにいるの?

たどった先にたどり着けず

何ができるの?

指を重ねても実行できない

馬王……

アン・ズルニ………


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