「サンバカ」よりつづく ハンガー(以下、ハ): 鉄道で旅をしていると、幹線とは名ばかりで、 寂れた建物や街の風景が、線路沿いに多くみられる。 鉄路の衰退が国の衰退を招いたことが、実感できる。 お元気ですか? ハンガー猛です。 そんな忘れ去られた廃屋に、 ご家庭でご不要になった時代遅れの電化製品等が、 置き去りに、あるいは勝手に投棄されても、 違和感もなければ気づかれることもないだろう。 もっと言えば、人だってそうだ。 忘れ去られた古い人たち、使い勝手の悪い人たちが、 寂れた線路沿いの廃墟に、まとめて置かれていても… …なんてことを考えてたら、 行方不明の100何歳のニュースが、 真夏の怪談のように飛び交った2010年。 酷い暑さが続きますが、ご無事でしょうか? 営業の田中(以下、田): あなたがハンガーさんですか。 かわら版に載ってたですよ。「時速80qで走る」って。 時速って何だべ。80qって何だべ。 えーど時代だからわからねえっぺ! ハ:時速って言うのは、金借りると付くやつのステージが低いやつのことです。 ヤギのお母さん(以下、ヤ): ハンガーさんは、一昼夜に500里走るんですよ。 田:500っていくつだ? 24時間走り続けるのか? そりゃあ天狗の仲間だな ヤ:天狗のくせに息が荒い 田:天狗のくせに謙虚だ ヤ:天狗のくせにかつをぶし工場に現れる ハ:誰かと思えば、ヤギのお母さんじゃないですか。 またお会いしましたね。 田:よくお会いになられるんですか? ハ:旅先で、こうして地元の飲み屋でも入って、 今日あったことを誰にともなく話してると、 何かいつの間にか、いたりするんですよ、 ヤギのお母さんが。 田:縁ってやつじゃないですか? ヤ:そんな大層な。 私はただ子守りの合間に乗り鉄してるだけですよ。 田:またまた。悪い気はしないくせに。 ハ:「見えない赤い糸」って、 見えないのに何で赤いってわかるんだバカヤロウ! …ってやつですね。 いやいや、ないですから。 田:ハンガーさんって、話もお上手ですね。 どうです? 卵でもおひとつ。 ハ:あ! お店の人でしたか。 お客さんだとばっかり 田:いえ、私はただの通りすがりの営業の田中です。 ヤ:旅はいいわよね ハ:ヤギのお母さん、渾身の乗り鉄ですか。 名古屋まで東海道線、熱海浜松2時間半のロングシート… ヤ:でも本当は新幹線の駅のそばに歩いて行けたら。 タクシーに乗る気分で新幹線に乗ってしまうわ。 「ちょっと、小田原まで」 ハ:新幹線の駅ごとに、事務所があったらいいな。 田:それって、JRと鵜飼ですよ。 ヤ:あなたのような貧乏な人は、そこのベンチで茶をすすってなさいよ。 ここのお水は飲料水には使えません。 薬品の入ったお水が流れます。 ハ:JRと鵜飼を買収すればいい。 旅情を叩き込んでやる。 田:サンマを呼んで、「海だぁ」ザバー!! キョロちゃんも「カァーカァー」 後ろからハンガー猛が走ってくる「ハァハァハァ」 ヤ:もちろん車内販売は「メイドのみやげ」 ハ:たけぞうが餅ついて売ってる。 どっかの駅…三河安城あたりか? 田:たくさん停まる新幹線は、停車時間が長いような気がする。 3日と3時間。 ハ:旅情ですねえ… ヤ:スリーナインは、酸素があるんだかないんだか。 ハ:酸素は、心の中にある。 田:…そうなんだ。初めて知りました。 ハ:だって目に見えないだろ? ヤ:酸素が目に見えたら、一体どうなるんでしょう? 次のシーンは → ガスではありません ハンガーとヤギのお母さんの運命は → おくさん-2 へ 田中は意外なところに出てくる… → ??? |