恐岩:さあさあ、寄ってらっしゃい、お客さん。 この石はね、世にも珍しい、 お腹に詰まってた石なんですよ。 これは縁起ものだよ。 こいつがあったら、大抵のことは乗り越えられちゃう。 オオカミのお腹から、産地直送、 新鮮なままでお届けします。 さ、1万円からどうだ? ばあさん:たけぞう…その声は、たけぞうだね。 恐:な、何だババア! ば:やっぱりたけぞうだ。 恐:違うぞコラ。わしは恐岩じゃ… ば:あああ、辛かったんだね。 あんなに丸々してたのに、すっかりやつれてしまって。 お腹空いたろう。 恐:……… ば:お前の大好きな餅を、たくさん用意したからね。 恐:ば、ばあさん… ば:ささ、お上がり。 そこで待っておき。 恐:かぁー、腹減った。 やっと飯にありつけるぞ ば:ほぉら、お前のために、大事にとっておいた杵だよ。 恐:杵… ば:お前は何よりも、餅つきが大好きで、村じゅうの自慢だったからね。 待ってな。今、臼も持ってきてやるから、あいたたた… 恐:ばあさん、座ってな。 俺がやるから ば:そうかい、ありがとな。 こっちじゃよ… 恐:え、と、暗くてよく見えないな……わ!! ば:くたばれ、オオカミ! 餅なんか最初からないわ。 恐:待て、オオカミじゃないって! ば:お前なんざ、日頃悪さして、食われてちょうどなんじゃ 恐:ギャアアアアアア!!!! ば:アーーーーーーー!!!!! 次 → サンバカ |