続いて、ユーザーモードのこびと。
今日は生徒モードでプレイしている。
魔王の動きも見切っていて、攻略法も完璧だ。
魔王:「縦横に碁盤の目のように、道が続いている。
まっすぐ歩いているつもりでも、
人は常に曲がり、選んでいる。
道で囲まれたブロックに書かれているのは、
その4つの辺の中で誰かが進入する運命にある道の数。
線はダブったり、交差してはならない。
交差点に立っただけでは
その周りの辺に進入したことにはならないが、
同じ交差点を他の線と共有することはできない。」
こびと:お前はねこ組か?
それともうし組か?
魔:「まただ。これで何度目だ。
会う奴会う奴、
俺がねこ組かうし組か訊いてくる。
そんなことを訊いてどうする?」
こ:ねこ組ならば、こっちへ来い。
うし組ならば、たたき切る!
魔:「どっちでもないと言ったら?」
こ:お前、もしかして…
……魔王?
来るな!
見逃してくれ!!
俺がここへ来たのは、
なかったことにしてくれ
魔:「安心しろ。何もしない。
お前は何をしてるんだ?」
こ:見りゃわかるだろ?
味方を探し出し、敵を倒す!
魔:「街区に書かれた数字は、
倒した屍の数でもあるのか。」
こ:そうだ。…
…手をつないだ仲間の数ともいう
魔:「怖くはないのか?」
こ:ないね。
みんなそうだよ。
ここではうし組かねこ組。
どっちにもなびかないのは、
魔王とアン・ズルニだって
魔:「アン・ズルニ?
そいつは誰だ?」
こ:俺も会ったことがない。
噂でしかきいたことはない。
ホントにいるのかさえ、あやしい。
魔:「そいつはいい奴なのか?
悪い奴なのか?」
こ:知らないよ。
そんなのきいてどうする?
魔:「どうするって、
道を歩く楽しみが1つ増える。」
こ:歩いてると『あんた誰?』って呼び止められるんだ。
餡がただれてる、
皮が餡に負けちゃってるんだ。
で、皮がないからアンは毛皮を着てるってね。
毛皮を着たねえちゃん、
そいつがアン・ズルニだって
魔:「ゆっくり楽しませてもらうぜ…」
こ:魔王に追われた時は、
迷路を出してやるとそっちへ行くから大丈夫、と。
15) 時は来た。につづく 「アン・ズルニを呼ばない」表紙に戻る