アン・ズルニを呼ばない【kobito side】 > 13) こびとさんの真実

1) エンディング 2) 案外、ない。 3) オープニング 4) 王子は踊る 5) おたよりコーナー
6) 金を巻き上げる魔王 7) うしとねこが集結する… 8) あるところに父と子と魔王がいました。 9) アン・ズルニをさがせ/うし組ねこ組の抗争 10)学校の窮状と売却計画について
11) 見てる人 12) 魔王、アン・ズルニと逢う 13) こびとさんの真実 14) 魔王が来た 2 15) 時は来た。 16) 意欲は燃え尽きた…
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「世の中を動かしてるのはこびとだ」
病室の男が話す声が聴こえる。
そう、世界はゲームなのだ。
そして実際に旗を振って動かすこびとが舞台にいる。
だが、体調不良のようだ。
どうする?こびと。

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こびと:ああ、何か具合悪いな。

「こんな話知ってる?
実はこの世の中はたくさんのこびとさんによって作られている。
人間だってそう。こびとさんが旗を0,1,0,1と振って、人ができている。」

こ:0,1,0,1…

「こびとさんが旗を一斉に降ろすと、」

こ:0…

「その人はきえてしまう。」

「こびとさんが怒るとこわいんだ…」

こびと&声:「おまえはおまえの意思で動いているのだと思ったら大間違いだ。
真実を見せてやる―――」

こ:ダメだ、代わり探そう。

「むかし、すごく好きな人がいたの」

「ふーん」

「でも、ある時、うまくいかないことに気がついて」

こ:えー? 誰もいないし。 バイトもかよ。
今日ってクリスマス? バレンタイン?

「好きな人が死んじゃうと、
その人のこと、忘れられないって話、知っている?」

こ:エネルギーが足りない…

「だから、私、その人のこと、
死んだ人だと思うようにしたの」

こ:俺にこびとを補充してくれ…

「でも、時間が経つと、
死んでいるとか、生きているとか、
そういうこと、関係なくなるよ」

こ:落ちます。

「肝心な話、聞いてくれないんだ」



どうにもならなかった。

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