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[字幕] 踊っていた。
踊っているつもりはなかった。
体を動かしていた。
できたばかりの新校舎の2階の張り出し部分で、
昼休みになると。
誰もそんなところに出なかったから、
あっちの窓、こっちの窓からギャラリーが集まった。
でも、そんなつもりはなかったんだ。
ただ、体がそう動きたかっただけ。
砂埃のハイスクール、
僕は魔王になりたかった。
もてはやされるのではない。
カーテンに引き込まれるように、
彼女たちが勝手に入ってくるのを、
包んでさらっていくだけ……
こびと:お、来たね。
[字幕] あーあ、
こんな時間にこんなとこほっつき歩いて、
どこの馬の骨だ?
[字幕] あんた誰?
よ、かっこいいねえ魔王さん。
[字幕] 馬王が今頃何しに来たんだよ
[字幕] アン・ズルニ!?
なんだよ、とんだデマじゃないか。
餡が爛れてるわけねえし。
[字幕] ここの連中はイカレてるよ。
教師はバタバタやめていくし、
生徒はくだらない抗争に明け暮れている。
学校に至っては、高く売り飛ばすことしか考えてない。
学校ってなぁに? 美味しいの?
[字幕] アンは、ねこ組とうし組、どっちなんだ?
[字幕] あんたもしかして新入り?
あ、そっか、長欠してたってね。
じゃあ全然知らないんだ。
魔王が聞いてあきれた。
わけわかんね。
[字幕] ホントにわけわからないんだ。 正直に答えてくれ。
[字幕] あたしはどっちでもないよ。
またそうやって気を持たせる。
[字幕] まだ他に組があるのか… …あ、うそうそ。
馬組の話はまた別のシリーズ。
[字幕] 元々は、タイプの違いで、
派閥に分かれて勝手にやってただけ。
それがいつの間にかクラス分けに使われて…
…バカじゃない?
学校ぐるみで対立煽ってるみたいじゃん。
むにゃむにゃ。
[字幕] 争ってる当人たちはともかく、
どっちにも入ってない子にとってはただの迷惑。
うし組かねこ組じゃないと、
ここにはいられない雰囲気になってる。
[字幕] アンはどうするつもりなんだ?
こうげきする。 にげる。 スルー。
[字幕] あたしは知らないよ。
騒ぎたい奴は勝手に騒げばいい。
やめたい奴はやめていくし。
けどあたしはどこへも逃げないし、
どっちに入るつもりもない。
[字幕] 学校はどうなっちゃうんだ?
学校食う気ある?
ない。食えるわけねえじゃん。
空気なかったら死んじゃうし。
じゃ、ある。
食うんだな。ホントに食うんだな。
[字幕] 知らないね。
あたし一人でどうなるもんでもない。
でも、そっか。そうだね。
ホントはさ、うしさんもねこさんも好きだよ。
みんな友達だったんだから。
空気が読めないアンズルニ。
[字幕] 何とかすべきなのか?
かっこつけるだけで押しが足りない魔王。
[字幕] あたしは誰も拒まない。
うしでもねこでも、誰でも。
仲良くしたいって奴とは手をつなぐ。
どっからでもかかって来いいつでもオッケーよとアン。
[字幕] 何か俺にできることはないのか?
だからかっこつけてんじゃねえよ。
[字幕] あんた、魔王だろ!?
学校をこのままにしておいていいのか?
みんながどうなってもいいのか?
自分で考えろ! よぉく考えろ!!
こびと[字幕]:わかった。
「わかった。」
「またね。」
「ああ。」
「最後にまた逢える。」
名作なんだけどな。
リニューアルしたい。
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