牛:神様が十二支を新しく集めるって言うから行かなくちゃ。
別れヘムの飯屋だって。
決闘値が上がらないように飲酒しないとな。
雑巾:おやおや牛さん。お出かけですか。
牛:雑巾さん、こんにちは。
雑:日差しが強いから、被って行くといいよ。
牛:着いた。
雑:ちょっと空いてるか見てきますね。
(座って)大丈夫、入れますよ。
牛:どっこいしょと。
あ、隣の寅のところに、社長が来るので空けといてください。
そこへネコがやってくる。
ネコはトラの席に座ろうとするが、そこには恐岩の服が掛けてある。
牛:ネコさん、割り込まないでくださいよ
ネコ:ここ空いてんだろ?俺はトラだ
牛:ここはトラップ家の恐岩さんの予約が入ってるんです
次にメイドが鵜を連れてやってくる。
メイド:私はメイドだけど鵜を操るから鵜飼よ。これ、お願いね
続いて、漢・萬田とブタクン元監督と土龍ケンジロウ前監督がやってくる。
♪宮島さんの神主が 疲労嶋あーぷの成績は
横幅ベイスターズより マシマシマシマシ
土龍ケンジロウ:ども。あーぷの前監督の土龍ケンジロウです。
ブタクン:あーぷ元監督、今はメジャーリーグのスカウトやってるブタクンです。
萬田:俺が引退したけどミスターあーぷ、打撃の神様、漢・萬田だ。
土:いやあ、弱いチームを強くするのは大変だったなあ。
でもお蔭様で、Aクラスに入ることはできた。
ブ:優勝できなかったけどな。
土:お前なんかほとんど5位だったじゃないか。
濁天に行ったら最下位だったし。
ブ:あーぷを人気球団にしたのは、私だ。
萬:ふ、雑魚どもめ。
人気も実力も俺には誰もかなわないよな。
土:萬田がいなくなって、チームは強くなった。
萬:そうだろ? 俺様は最強だからな。
十二球団の要に入って睨みを利かせてやる。
土:よろしくな。
俺は監督業で疲れたからしばらく休むよ。
ブ:今日のところは末席で許してやるぜ。
萬:来年は、優勝だ。
土:頼みよー。
すごい足音と息づかいが聞こえてくる。
ハンガー猛だ。
ハンガーは馬の席に座る。
順番からはじかれたネコは、魚を捕りに行く。
赤ネコ:ああ、腹減った。
魚でも捕まえて食うか。
サンマ:汝、悔い改めよ。
ネ:おう、言われなくてもこれから飯の時間だよ。
サ:おまえは漁師なのか?
ネ:いいや、ただのネコだ。
サ:お前は私が見ていなければ、何者にもなり得ない。
私の見方によっては、何者にだってなれる。
ネ:難しいこと言ってはぐらかそうとしてるな。
サ:例えばお前を箱に入れて蓋をしたら、生きてるかどうかもわからない。
箱の中では1/2の確率でビームが撃たれ、それを浴びると死ぬ。
箱の中のネコさんは生きてるのか死んでるのか、どうやって確かめる?
ネ:開けてみりゃいいだろ?
サ:たしかに開けてしまえば生きてるか死んでるかのどちらかだ。
だが開けてない状態ではネコはどのように存在しているのか?
生きてるネコと死んでるネコと両方存在するのか?
それだと2匹になるから生きたのと死んだのと左右で半々になってるのか?
ネ:ああ、そろそろ限界だ。
お祈りは済んだかい? サンマ君。
サ:私はサンマではない。
お前はこれから私の弟子になる。
これからは魚を捕るのではなく、人間を捕る漁師になりなさい。(ポチッ)
ネ:人間を捕る……
…いらっしゃい! 毎度!! (恐岩化する)
ワニ:そういや空海さんってどうした?
いろいろあったけど、年始の挨拶ぐらいは送った方がいいのかな?
アリ:最後に会ったのはオンタケサンで穴掘ってる時だったな。
♪木曽のな〜 中乗りさん〜
ワ:そっか、中野で解散したんだね。
空海さんも現場で働いてるんだ。
やっぱ理屈だけじゃ食えないからな。
ア:♪木曽のオンタケサンは〜
空海:…夏でも寒いんです。 寒い。
俺はいつまで浮き輪して土に埋もれてなきゃならないんだ?
…待てよ。
仏にだってなれるんだから、思った姿になって思ったところにだって行けるはずだ。
そうだよ俺って悟ってるし無敵だってすっかり忘れてたハハハ。
…何になってどこへ行こうか?
「ポーーーン」
空:あ、時報が鳴った。12時か。
12時。 ヂュウニヂ。
よし、龍に乗って飛んで行くぞ!
土龍ケンジロウ:空海さんこんにちは。
こんな土の中で修行ですか?
空:ああ、だがこれから私は龍に乗って出かけるところだ。
どこかいい行き先はないか?
土:あ、神様が新年に向けて十二支を集めてたよ。
俺、龍のところに入ってたんだけど、監督5年もやって疲れてるから辞退してきた。
代わりに入っといて。年俸2000万しか出せないけど。
空海が龍に乗ってやってくる。
土龍ケンジロウが譲った辰の席に座る。
隣で萬田が睨んでる。
キョロが到着。
鳥の席へ。
ネコさんがいないのを気にかけるが、ブタクンとの再会に喜ぶ。
一応サルの席を空けておく。
ヤギのお母さんがわんわんに乗って到着。
羊の席へ。
わんわんは犬の席へ。
※右下、ブタクンの左側の電車がわんわん。
サンマ:12人の弟子は揃ったかな?
1、2、3、4…
うし:恐岩さんに代わって寅にはブラックタイガーさんが入りました。
サ:ねずみが雑巾で、うしさんに、寅がブラックタイガーさん、
卯が鵜で、辰が空海さん、蛇が萬田さんで午がハンガーさん、
羊がヤギのお母さん、1つおいて鳥がキョロでわんわん、ブタクン。
全部で11人。あと1人ですか。
赤ネコ:遅くなりました。
サ:どなたですか?
ネ:見てわかりませんか?
この賢そうな顔と、素早い身のこなし
う:ネコさん何しに来たんですか?
ネコさんの席はないって前に言ったじゃないですか。
ネ:失礼な。
私はサルですよ。
見ザル、聞かザル、言わザルのトリプルサル公だにゃ。
サ:ではサルと言うことでよろしいですね。
ご着席ください。
う:そうかな?
ネコさんにしか見えないんだけどな
ネ:見ザルって言うだろ。
心の目で見るんだよ。
サ:じゃあ鉄板に火入れますね。
う:ホントにネコさんじゃないんですね。
ネ:しつこいなあ。
サルだって言ってんだろ?
…なんかこの店、熱くないか?
♪ 猫じゃ猫じゃと おっしゃいますが 〜
*オッチョコチョイノチョイ
オッチョコチョイノチョイ*
う:ネコさんだったらここで踊るんだけどな。
ネ:聞かザル聞かザル…あち、あち…
う:ネコさんの踊りが見たいなあ
ネ:あち、あちちち…(踊り出す)
サ:だいぶあったまってきたようだね
う:やっぱりネコさんなんじゃないですか?
ネ:言わザル言わザル…
う:お客さんじゃなくて最初から出演者として来ればよかったんですよ。
ネ:あちあちあち…みゃあ!!!
サ:あれ?お帰りですか?
ネ:うるせえ。
お前だってサンマじゃないか。
サ:私はサンマではありません。
ネ:熱くてこんなとこいられるか!
う:今度は下駄履いて浴衣着て来てくださいね
キョロ:大将、飯はまだですか?
ハンガー:腹が減ってガス欠です。
サンマ:まあまあ。夜は長い。
全員揃って年を越そうではないか。
うし:早くしないとまたネコさんが荒らしに来ますよ。
雑巾:ダシ取るの手伝うよ。
ヤギのお母さん:空腹は最高の調味料よ。ホーホホホ
キ:すぐ食えるものとかないの?
焼けばいいものとか。
サ:焼いたら十二支じゃなくなっちゃうでしょ。
ブタクン:何だよ、こっち見んなよ。
店長は十二支とは関係ないですよね。
…誠意を見せてください。
サ:これは私の肉です。(パンを配る)
キ:ウソをつくな。 これは炭水化物だろ
ブ:お前の肉を配れ!
キ:サンマ、なんでしょ?
サ:いいえ、私はサンマではありません。
キ:コケコッコー♪
赤ネコ:朝焼け小焼け、大漁だ。
サンマの弔い、するだろう。