「山の上のお蔵」よりつづく サンマ:ああ、暗くなってきたなあ。 今夜はここに泊めてもらおう。 赤ネコ:あ、あれはサンマじゃないか。 巨大じゃないけどまあいいか。 隙を見てとっ捕まえて食ってやる。 おや、坊主。道に迷ったかい。 げっ!山姥だ。 は、はい……いえ、おかまいなく。 待ってな。 今晩飯の用意してやるから。 顔色悪いな。 給水所でもらったとっておきの塩があるから、これを塗るといい。 …どうした。気分でも悪いのか? 厠を借りてもいいですか? はあ、何とかして逃げないと。そうだ。お札に喋らせよう。 飯の準備ができたぞ。トイレはまだか? (まあだだよ……って言ってる間に逃げるから、山姥来んじゃねえぞ!) 何だとコラ!あ、逃げやがったか… はぁ、はぁ、はぁ、 待てコラァ!!! 師匠、師匠、開けて開けて。 山姥が来るよ。助けて!! ああ、じゃあ押し入れに隠れて… サンマはどこだ? おや、山姥さんに会えるなんて。 何だと?いいからサンマを食わせろ。 山姥さんは何でもできるって聞いたけど、見せてくれるかい? 芸をすれば食わせてやるってことか。 よぉし、わかった。 じゃあまず、大きく大きくなってみてくれ。 お安い御用だ。 うりゃ! おお、見事だ。 だがそんなにでかいとサンマを食べても足りないだろう。 お腹いっぱい食えるように、今度は小さくなってみようか。 小さくなるのか? そうだ。ネコと並んでサンマが大好物の、ハエになってみてはくれぬか。 そんなに小さくなるのか? 無理なのか? いや、できる! うりゃ、 ハエになれーーー!!! おくさん、出番です。 おくさん:ハエさん、きらーい!!! 「亡者の行進」へつづく |