オープニング。板付きでれんこん。 帰るとオヤジが死んでいた。 あたしの布団で死んでいた。 扇風機浴びたまま、 何も言わずに死んでいた。 あたしはそこで寝るだろう。 明日もそこで寝るだろう。 シーツも布団も換えられて、 面影ひとつなくなっても、 よく似た臭いの汗滲ませて、 あたしはそこで寝るだろう。 ショッピングモールには、 工場の跡など何もない。 何も遺しやしなかった。 けれどあたしはここに立つ。 嫁ぐ準備はないけれど、 稼ぐ準備はそこそこに。 きっとオヤジは知っていた。 あたしの場所を取っててくれた。 次のシーンは → サンマ |