メイド「ヤギのお母さん(3)」よりつづく れんこん(以下、れ): まだまだ続くよ。終わりじゃない 年寄りや子どもがいなくなる、 虐待され、棄てられる、 貧困ビジネスに、人が食い物にされる、 ニュースがいっぱい出てるけど、氷山の一角。 その陰には何万倍もの、 忘れ去られた人やものや家や集落がある。 あたしたちはここで暮らしている、棲息している。 忘れ去られた、棄てられた、斃れた人たちと共に。 雑巾(以下、ぞ): 生活排水が流れる薄汚い川沿いの、 公害で閉鎖された化学工場の岩壁に貼り付いて、 同じく置き去りにされた、粗大ゴミや産廃の山に囲まれて。 れ:おかえり、雑巾。 いいのは取れたかい? ぞ:雑魚だな。 大臣クラスのでかいスキャンダルはなし。 れ:夢を見ようぜ。 オレたちの時代は必ず来る。 ぞ:夢はでっかくな。 風は見落とさないぜ。 (再び出かけていく) れ:田七おじさん、世界はどうなっていくんだろう? 悪いものを洗い流そうとして、 もっと悪い奴らがうじゃうじゃ沸いてきてる。 だがとりあえず、今日のメシだな。 食えないごちそうばかり、そこらじゅう漂ってる… 次のシーンは → れんこん-2(恐岩の末路) |