おくさん

「ヤギのお母さん(1)」よりつづく


◎おくさん（以下、お）
◎メイド（ヤギのお母さん。以下、メ）

　

メ：あ、全員集合したようですね。
介護体験ツアーの皆さん、おはようございます。


本日は役割別に、車両を分けましたので、よろしくお願いします。
では、自己紹介をお願いします。


お：おはようございます。おくさんです。
今日はお世話になります。


メ：おう。新入り。
俺はトクって言うんだ。
とくさんって呼んでくれ。
（墓石に喋らす）

メ：わしはロクじゃ。
みんなはろくさんって呼んでる。
（墓石に喋らす）


メ：あっちにいるだろ、鼻につく奴。
あいつはさくさん。
気をつけた方がいいぞ。
（墓石に喋らす）


メ：あそこで大勢固まってるのはたくさん。
心強いけど、うんざりするんだよな。
（墓石に喋らす）


お：あの…


ここでホントにいいのでしょうか？


メ：あそこでカーテンに巻かれてる人、
あの人はよくさん。
反対意見を認めないんだ。
（墓石に喋らす）


メ：隣で叫んでるのはこくさん。
あの人は輸入品を認めないんだ。
（墓石に喋らす）

　
お：私の話もきいてほしいんです。


メ：それならかくさんがお供してくれますよ。
服着てないのが難点ですが。
各府かくさん条約と言ってね、かくさんは大勢いることになってるんですよ。
あれ？　でもすけさんがいないや。
（墓石に喋らす）


お：まあ、困ったわ。
手が足りないわ。


恐岩：おくさん、いい手ならありますよ。


お：あら、恐岩さん。
そうなんです。手が足りないんです。


恐岩：力仕事、汚れ仕事、寒い屋外でも大丈夫。


お：そんなこと言って、軍手売ろうとしていません？


恐岩：やだなあ、おくさん。


今度のやつはね、


すごいんですよ…


お：恐岩さん。


シャツ後ろ前ですよ


恐岩：わわっ、




メ：それでは、そろそろ出発いたします！
私、本日のツアーを引率します、座優のメイ・ド・ヤギでございます。







　　（つづく）

その後、ヤギのお母さん一行は電車で移動　→　ハンガー猛 へ
一方、恐岩は…　→　？？